機能性表示食品のヨーグルトを一覧ですべて見る方法は?注意点も詳しく紹介します

スーパーなどで「機能性表示食品」と書かれたヨーグルトが非常に増えています。実際にこのようなヨーグルトを選びたいと思われている方も多いのではないでしょうか。しかし商品数が多く、どんなヨーグルトがあるのかわかりにくいことでしょう。

その場合は消費者庁のホームページで検索すれば、一覧で見ることができて簡単です。この記事では検索の仕方や、機能性表示食品について説明していきます。

機能性表示食品のヨーグルトを一覧で見る方法

機能性表示食品は消費者庁が認可するものなので、消費者庁のホームページを見れば機能性表示食品に認められているヨーグルトがわかります。消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」というページにアクセスし、以下のように検索条件を設定してください。

・商品名:「ヨーグルト」

・食品の区分:加工食品(その他)

・販売中の食品のみ表示する:チェックを入れる

まず「ヨーグルト」という商品名で検索すれば通常のヨーグルトと、飲むヨーグルトが検索一覧に出てきます。食品の区分には「加工食品(サプリメント形状)」「加工食品(その他)」「生鮮食品」があるのですが、加工食品(その他)を選ぶことでヨーグルト味の乳酸菌サプリを除外できるのです。

機能性表示食品は比較的新しい制度なのですが、これまでに販売終了となったヨーグルトもあるので「販売中の食品のみ表示する」にチェックも入れておいてください。これで検索すれば機能性表示食品のヨーグルト一覧が表示されます。

⇒機能性表示食品の手続きは申請ではなく届出なのはなぜか

機能性表示食品のヨーグルト一覧を見る際の注意点

ヨーグルトを検索して一覧が表示されたことと思います。

この記事を書いている時点(2021年6月)では46件表示されています。大手や地方の乳業会社、もしくは飲料メーカーなどさまざまな会社の商品が機能性表示食品に認められていることが分かります。

ただし注意点があって、一覧をよく見てみるとヨーグルト黒酢、ヨーグルトテイストなどの商品が含まれていることが分かりますが、これらは厳密にはヨーグルト商品ではありません。ヨーグルト黒酢というのは、味がマイルドであることが特徴の黒酢のことで、実際に機能性関与成分名の部分を読んでみると「酢酸」とだけ書かれています。

乳酸菌でもビフィズス菌でもなく酢酸と書かれていますが、これは酢特有の成分なのでヨーグルトではないことは明確にわかります。一方でヨーグルトテイストと言われる商品もありますが、代表的なものは具体的な商品名で言うとキリンビバレッジの「iMUSEヨーグルトテイスト」です。

これは機能性関与成分名には「プラズマ乳酸菌」と書かれているので、飲むヨーグルトのようにも思えますが、実際は「ヨーグルトのようなドリンク」のことです。もう1つアサヒビールの「アサヒスタイル バランスヨーグルトサワーテイスト」も含まれていますが、これはノンアルコールビールで、機能性関与成分名は難消化性デキストリンという、いわゆる食物繊維が機能として認められています。

ヨーグルト特有の乳酸菌によって機能が認められているわけではないのです。厳密にはヨーグルトではない商品が5つ見つかったので、表示された46件から5件を引くと42件となり、これが現在認められている機能性表示食品のヨーグルトです。

機能性表示食品のヨーグルトと他の制度のヨーグルト

機能性表示食品として認められたヨーグルトということは、そうでない一般的なヨーグルトよりもいい効果を持っている商品にも思えるでしょう。しかし消費者庁が認めるものには別の制度もあるのです。それらを総称して「保健機能食品」と言い、以下に挙げるように全部で3つの名称に分かれています。

・特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品「特定保健用食品」は通称「トクホ」とも呼ばれ、一般的な知名度は高いことと思います。健康促進の根拠が消費者庁に認められた食品のことを指します。1991年に始まった制度で、ヤクルトの乳製品が特定保健用食品に認められて以降、知名度が上がったとされています。

「栄養機能食品」は2001年に始まった制度で、表示したい栄養成分がきちんと含まれていることが消費者庁に認められた食品です。

「機能性表示食品」は2015年に始まった制度で、身体に対するいい効果(機能)の根拠を持った食品ですが、消費者庁にその根拠が認められているわけではありません。

認められていないのに、機能表示をしてもいいのは認可までに時間がかかり過ぎるためです。

栄養機能食品のヨーグルトを消費者が選ぶ意義

認可を受けて商品化までの時間が長いと、どうしても商品開発ペースが遅れて市場が滞ってしまいます。そうならないための救済策だというのが機能性表示食品の実際の立ち位置だと言えるでしょう。では実際に機能性表示食品のヨーグルトを口にしても、いい効果があるわけではないのかというと、そうとも言い切れません。

効果が出る場合、出ない場合さまざまですが、少なくとも商品選びの参考にはなりますし、消費者にとっては悪いことではないでしょう。少しでもお腹の調子を良くしたい、便通を良くしたいという人にとっては利便性の高い表示制度だと言えます。

ヨーグルトを機能性表示食品に申請する会社が増えている

年々、消費者庁に機能性表示食品として自社ヨーグルトを申請・検討する会社が増えています。理由としては「機能性表示食品」の制度自体の知名度が増え、販促に活かせることが理由の一つとして挙げられます。もともと特定保健用食品(トクホ)の知名度は高く、実際に売上上昇につながる事実がありますが、やはり認可と取得までに時間がかかり過ぎます。

中小企業にとっては申請にもお金がかかりますし、取得は難しいという側面もありました。そこで中小企業は機能性表示食品取得を始めたのですが、その後は大企業も取得するようになり制度自体の知名度が向上します。他の大企業もそれを見て後続し、年々制度に申請する会社は増えている状況が生まれました。

機能性表示食品は機能が認可されているわけではありませんが、少なくとも消費者庁(国)が表示を認めているというのは非常に大きいです。非常に強い権威性を発揮するため、大企業・中小企業問わず制度に申請する会社が増えているのは非常に理に適ったことだと言えるでしょう。

⇒睡眠に関わる機能性表示食品の特徴と注意点

機能性表示食品のヨーグルト一覧を参考にしてください

特定保健用食品(トクホ)のように、機能性表示食品のヨーグルトも年々人気が高まっています。

同じ機能性表示食品のヨーグルトでもさまざまな特徴・味の商品があるので、吟味したい際は一覧で確認しておくと、役立つことでしょう。

どうぞ今回解説してきた、消費者庁の検索結果一覧を見る方法を参考にしてもらえればと思います。